研究会第1回ヒンディー文学研究会
- 日時
- 2022年8月29、30日
石田英明(大東文化大学)を講師に迎え、नागार्जुन 作 पारोを購読した。
成果
ヒンディー文学研究者で翻訳家でもある石田英明氏(大東文化大学)を講師に迎え、ヒンディー文学作品を原典から講読し作品解釈やその背景について参加者で討論を行った。取り上げた作品は、ヒンディー語作家ナーガールジュン(1911-1998)の『パーロー』(原作マイティリー版1946年、ヒンディー版1975年)である。この作品は詩人として評価の高い作者が小説家としても遜色のない実力の持ち主であることを示した長編第1作である。1930年代から40年代にかけてのビハール州において、古い因習が支配するバラモン社会の抱える矛盾が忍従を美徳とされる女性達に重くのしかかっている状況を、意に沿わない結婚を強いられ、最後は出産と引き換えに命を落とす少女の悲劇的な儚い人生を描くことで示している。ヒンディー語の東部方言や土着の語彙が多く用いられており難物ではあるが、当時の村の様子、人々の生活、風習、祭りや宗教儀式、食事の作法や交通事情、農作物など民俗学的な観点からもきわめて興味深い作品である。
国際学会The 14th International Conference on Early Modern Literatures of North India (ICEMLNI)(共催)
- 日時
- 2022年7月15~19日
拠点メンバーの長崎広子が国際学会(The 14th International Conference on Early Modern Literatures of North India (ICEMLNI))を主催した。拠点メンバーの長崎広子と北田信を含む37名が研究発表した。コロナ禍での入国制限が残るのか、各国から90名以上が対面とオンラインで参加し、活発な議論が連日繰り広げられた。